コロナ禍が続き、外出されずに、家で過ごす時間が長くなっているということが、統計的にも出ているようです。
そんな中、家に引きこもってると、「何もすることがない」とか、「ヒマでしかたない」と嘆く人が、私の同世代の人の中にもあるみたいです。
ヒマでしかたないと思ったことがない
することがなければ、ゆっくりとして、本でも読みながら、自分を見つめていたらいいと思うのですが、当人にとっては、ヒマが耐えられないようです。
えカニぃは、還暦を向かえましたが、これまで、ほとんど、ヒマと思ったことがありません。やりたいことが多すぎて、ヒマにできないのでしょうが、そんな性格になったきっかけは何だったか、ふと思い返してみました。
高校1年生の時に聞いた話がかなり影響しているように思います。
医者を目指す兄弟たちとその生き方
私が高校の頃は、40年以上も前で、特に田舎ではのんびりしたもので、ちょっとした知り合いでも、お家にあがりこんで、お茶をいただきながら歓談するのは、よくあることでした。
当時、医者の息子が同級生にいて、その人の家におじゃまして、そのお母さんから、話を聞いたことがあります。
どういうことでそうなったかは覚えていないのですが、買い物に行ったか、誰かを見送りに行ったかで、なぜかその同級生の息子本人はいない状態でした。
お母さんがおっしゃるには、その息子には弟がいて、兄弟が全く性格が違うんだと話されていました。
ご主人、つまり、その兄弟のお父さんは、自ら命に影響するような病を顧みずに、患者さんを診察してきたということで、近所でも評判な医者でした。
そんなこともあって、お母さんとその兄弟は、お父さんのようになったらどうするかということを良く話していたそうです。
その時、お兄さんは、そんなお父さんのようなことになる前に、「人生一度だから、楽しまないと損だ」という考えをもっているとのことでした。
実際、彼は、頭は良かったのですが、勉強よりも遊びの方が楽しいようで、色々なことで人生をおう歌しようとしていたようです。
一方で、弟の方は、「人生一度きりだからこそ、悔いのないように、自分の出来る限りの努力をしたい」という考えで、お父さんのような立派な医者になりたいという夢を描いていたそうです。
時間を惜しんでは勉強し、それだけでなく、学校で使うノートも節約して広告用紙の裏側を使ったり、少しでも人のためになるボランティア的な活動にも参加していたようです。
その弟君は、当時は中学生で、私はその弟君とは、面識もなく、話をしたこともなかったのですが、その時のお母さんの話には、衝撃を受けたのを覚えています。
人生は一度きり
事実なのは確かなのですが、「人生一度きり」というふうに自分自身、自分の人生を見つめたことはなかったです。
だから、何をしたいというような考えも全くなかったです。
そんな中、弟君のような、そんなすごい思いで、生きようとしている人がいるということを知っただけで衝撃を受けたのを覚えています。
若い時に刻まれた思いは、強く残ることが時にありますので、何かの時には、ふと、彼のことを思い出します。話したこともないのですが。
人生一度きり、どれだけ努力しても一度きり、悔いのない生き方をしたいと。
もちろん、兄のように楽しむことも大事ですし、遊びも大切なのですが、人生を悔いのないように精一杯努力したいという弟君の考え方に共感を覚えました。
あれから40年以上の歳月がたって、結局そこの兄弟、二人とも医者にはなったのですが、
お兄さんは不摂生で若くして短い人生を閉じ、弟君は今も地域の医療に尽力中とのことです。
どちらが幸せかは一概に言えませんが、心の方向がその後の人生に影響しているのは事実です。
私自身、超真面目にとか、堅物で生きてきたわけではないのですが、その、話たこともない弟君の生きた方は、私の人生に大きく影響を与えています。
人は、ちょっとしたことをきっかけに、自分の人生を変えることもありますね。
私の発信がひょっとしたら、誰かの心に残るかも知れないとかすかな期待を持って、書き続けます。
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